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控訴期限の数え方 初日不算入と休日の扱い

監修弁護士 横田秀俊監修 弁護士 横田 秀俊(福井弁護士会所属/弁護士法人横田秀俊法律事務所)監修者について

更新日:2026年11月2日

民事の控訴期間は、判決書の送達を受けた日の翌日から数えて2週間です。末日は、送達を受けた日と同じ曜日になります。その末日が土日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)に当たるときだけ、翌日に延びます。刑事は、判決が告知された日の翌日から14日です。年末年始とゴールデンウィークをまたぐ具体例を、2026年と2027年の暦で実際に数えながら説明します。

事務員向け


控訴期限の数え方

初日不算入と休日の扱い

Atrium Legal コラム1 / 5

民事の控訴期間は、送達を受けた日の翌日から2週間

条文は285条。期間は不変期間

控訴は、電子判決書(または一定の電子調書)の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起します(民事訴訟法285条本文)。控訴状は、第一審裁判所に提出します(286条1項)。控訴裁判所に直接出すことはできません。

不変期間は、裁判所でも伸ばせません(96条1項ただし書)。例外は、裁判所の電子計算機の故障など、責めに帰することができない事由で守れなかった場合に、その事由がなくなってから1週間以内(外国にいる当事者は2か月)に限って認められる追完です(97条1項)。追完をあてにした予定は組めないので、期限内に出す前提で数えます。

初日は数えず、暦で数える

日、週、月、年で期間を定めたときは、初日は算入しません(民法140条)。週で定めた期間は暦に従って計算し、起算日に応当する日の前日に満了します(143条)。

控訴期間なら、送達を受けた日の翌日が起算日です。2週間後の応当日の前日が末日なので、結果として末日は送達を受けた日の14日後、つまり同じ曜日になります。火曜日に送達を受けたなら、2週間後の火曜日が末日です。

数え始めるのは判決言渡しの日ではない

起算するのは、判決を言い渡した日ではなく、送達を受けた日です。紙で送達を受けるなら、送達報告書や受領の記録で日を確認します。

電子情報処理組織による送達は、次のうち最も早い時に効力が生じます(109条の3第1項)。送達すべき電磁的記録を閲覧した時、ファイルに記録した時、通知が発せられた日から1週間を経過した時です。裁判所の案内によると、訴訟代理人が複数いる場合は、いずれか1人が閲覧かダウンロードをした時点で効力が生じます。担当ではない弁護士が先に開いていても、そこから数え始めることになります。

図解 2

末日に当たると翌日に延びる日

  • 日曜日
  • 土曜日
  • 国民の祝日(振替休日などの休日を含む)
  • 1月2日
  • 1月3日
  • 12月29日から12月31日
Atrium Legal コラム2 / 5

末日が休日なら、翌日に満了する

民事訴訟法95条3項が挙げる日

期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、1月2日、1月3日、12月29日から12月31日までのいずれかに当たるときは、期間はその翌日に満了します(民事訴訟法95条3項)。1月1日は祝日なので、結果として12月29日から1月3日までが休みの扱いです。

翌日もまた休日なら、さらに翌日です。休日が続くときは、休日でない日になるまで順に延びます(松江地方裁判所の案内にも、14日目の12月29日から年明けの土日をはさんで、1月6日に満了する例が載っています)。

数えるのは期間の末日だけ

休日が延ばすのは末日だけです。期間の途中に休日が挟まっていても、日数は減りません。起算日の翌日から2週間のあいだに祝日が2日あっても、末日は変わりません。休日の確認は、14日後の日付が出てから1回すれば足ります。

祝日の一覧は内閣府のものを使う

祝日は法律の改正や、春分・秋分の日の発表で変わります。2026年と2027年の国民の祝日は内閣府が公表しています。2026年は5月6日が振替休日、9月22日が国民の休日にあたり、2027年は3月22日が振替休日です。年が替わるたびに、内閣府のデータで確認します。

図解 3

控訴期限を数える手順

1送達を受けた日送達報告書や閲覧の記録で確認する
2初日を数えない翌日が起算日になる
314日後を出す末日は送達日と同じ曜日
4休日か確かめる土日祝、1月2日・3日、12月29日から31日
5休日でない日まで延ばす満了日を弁護士に報告する
Atrium Legal コラム3 / 5

年末年始とゴールデンウィークで実際に数える

年末年始をまたぐ例

2026年12月15日(火)に送達を受けたとします。翌16日が起算日で、14日後は12月29日(火)です。29日は年末の休日なので、30日、31日、1月1日の元日、2日(土)、3日(日)と続き、満了するのは2027年1月4日(月)です。

12月28日(月)の送達なら、14日後は2027年1月11日(月)で、この日は成人の日です。満了は1月12日(火)になります。年末年始が過ぎたあとでも、成人の日が重なることがあります。

ゴールデンウィークをまたぐ例

2026年4月22日(水)の送達なら、14日後は5月6日(水)です。この日は振替休日なので、満了は5月7日(木)です。「5月6日はふつうの水曜日」と思い込んでいると、1日早く数えます。

2027年は5月3日(月)から5日(水)が連休です。4月20日(火)の送達なら、14日後は5月4日(火)のみどりの日で、5日もこどもの日なので、満了は5月6日(木)です。4月21日(水)の送達なら、14日後が5月5日(水)なので、同じく5月6日(木)に満了します。

連休の祝日が続く例

2026年9月8日(火)の送達なら、14日後は9月22日(火)です。この日は国民の休日で、翌23日は秋分の日なので、満了は9月24日(木)になります。

図解 4

民事控訴の満了日の計算例

送達を受けた日 14日後 満了日
2026年12月15日(火) 12月29日(火)年末の休日 2027年1月4日(月)
2026年12月28日(月) 1月11日(月)成人の日 2027年1月12日(火)
2026年4月22日(水) 5月6日(水)振替休日 2026年5月7日(木)
2027年4月20日(火) 5月4日(火)みどりの日 2027年5月6日(木)
2026年9月8日(火) 9月22日(火)国民の休日 2026年9月24日(木)
Atrium Legal コラム4 / 5

刑事の控訴期間は、告知の日の翌日から14日

民事との違いは起算点と書き方

刑事の控訴の提起期間は14日です(刑事訴訟法373条)。上訴の提起期間は、裁判が告知された日から進行します(358条)。民事のように送達を待つのではなく、判決の宣告を受けた日が基準です。判決謄本が届いた日から数えるわけではありません。

初日は算入しません(55条1項)。期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日、1月2日、1月3日、12月29日から12月31日に当たるときは、その日を期間に算入しません(同条3項)。この規定は、民事と同じ日が対象で、結果も同じように次の休日でない日が満了日になります。時効期間には適用されません(同項ただし書)。

たとえば2026年12月18日(金)に判決が宣告されたとします。翌19日が起算日で、14日後は2027年1月1日(金)の元日です。2日(土)と3日(日)も算入されないので、満了は1月4日(月)です。

図解 5

数えるときに間違えやすい点

起算点民事は送達を受けた日、刑事は判決が告知された日
初日送達日・告知日は数えず、翌日から数える
末日の曜日民事の2週間は、送達日と同じ曜日が末日
振替休日5月6日のような平日の祝休日を見落とす
年末年始12月29日から1月3日は延びる。1月4日が平日とは限らない
複数の弁護士誰かが先に閲覧すれば、その時点で送達の効力が生じる
Atrium Legal コラム5 / 5

事務所での確認の流れと、期間計算ツールの使い方

判決を受けた日に、満了日までを一度に出す

判決を受け取った日に、送達を受けた日、満了日、控訴するかどうかの依頼者への確認期限を、案件の記録に書きます。満了日の計算は、事務員が出して、弁護士が確かめる二重の確認にします。手計算は、休日の見落としが起きやすいところです。

控訴状に第一審判決の取消しや変更を求める事由を具体的に書かなかったときは、控訴の提起後50日以内に、その事由を書いた書面を控訴裁判所に出さなければなりません(民事訴訟規則182条)。こちらの期限も、控訴状を出した日に記録しておきます。控訴状の出し方は、裁判所への書類提出の回で書きます。

期間計算ツールで満了日を出す

Atrium Legalの期間計算ツールは、手続を選んで送達を受けた日(刑事は告知された日)を入れると、期間の満了日が出ます。初日不算入、暦による計算、休日による延長を、この記事と同じ条文(民法140条・143条、民事訴訟法95条3項、刑事訴訟法55条)で処理します。祝日は内閣府の公表データで、対象は2020年から2027年までです。条文ごとの期間の一覧もそのページにあります。

ツールが出すのは期限日の目安です。送達の効力がいつ生じたか、期間に特別な定めがないか、付加期間がないかは、記録と条文で確かめてください。

満了日を案件ごとの予定に入れる

満了日が出たら、案件のカレンダーに予定として登録し、控訴状の準備を「誰が・何を・いつまでに」で作業依頼にします。Atrium Legalの案件管理ツールは、カレンダー(週・月・日表示)への予定登録と、作業依頼のToDo一覧での確認に対応しています。ただし、Googleカレンダーなどとの自動同期や、メール・スマートフォンへの通知はありません。毎朝のToDoの確認を、事務所の習慣にしておくと、見落としが減ります。期日と期限を落とさない仕組みの全体は、期日・期限を落とさない管理の仕組みで順に書いています。

控訴期間は2週間しかなく、年末年始やゴールデンウィークの前後は、事務所の休みと重なります。判決を受けた日に満了日を出して、休み前に控訴状の準備を終えておくと、休み明けの慌ただしさを避けられます。Atrium Legalの機能は機能の紹介ページにまとめています。

控訴期限などの期日を事件ごとに一か所で管理するには、案件管理のカレンダー・ToDoも使えます。

監修弁護士 横田秀俊

この記事の監修者

弁護士 横田 秀俊

福井弁護士会所属/弁護士法人横田秀俊法律事務所

Atrium Legalは、弁護士 横田秀俊の監修のもとで設計・開発されています。法律事務所の現場で必要とされる機能と操作感を確かめながら、弁護士と事務スタッフの双方が使いやすいツールを目指しています。監修について

※ 弁護士法人横田秀俊法律事務所と、Atrium Legalの販売元(株式会社HMコンサルティング)は別の法人です。

参考にした法令・資料

この記事は、2026年10月時点の法令・公表資料をもとにした一般的な解説です。個別の事案の判断は、事案の内容に応じて行ってください。

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